数々の素晴らしい製品を世に生み出した柳宋理氏に心から感謝いたします。

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柳 宋理
Hiroshi Nomura’s photo is a quote from Casa BRUTUS.

先日、日本の偉大なデザイナーである柳宋理さんがお亡くなりになりました。

柳宋理さんといえば、バタフライ・スツールが有名だと思いますが、バタフライ・スツール以外にも数々の素晴らしいデザインを手がけられています。
写真の黒柄のカトラリーやファブリック、キッチンツールや建築物までと幅広くデザインされています。
誤解を恐れずに書くと、個人的には『プロダクト(インダストリアル)デザイナー』というより『職人さん』のような印象を受けます。
スケッチを描かずにいきなりモデル(模型)から作り始めるという手法は、やはりちょっと特殊だと思います。
もちろん、柳宋理さんと同じようなスタイルやアプローチを持ったデザイナーの方も数多くおられると思いますし、スケッチを描かずにモデルを重視するというのを否定しているわけではありません。
もしろプロダクトデザインの場合は、実際に手に取ってみなくてはわからないことも多いわけで、柳宋理さんのように徹底的に試作やモデルを作る方法が王道なのかも知れない。

柳宋理さんは、アノニマス・デザインに共感されていたようですが、柳宋理さんのデザインこそアノニマス・デザインだと思います。
ジャズパー・モリソン氏が『偉大なデザインに時代や国籍は関係ない。』と言っていますが、まさしく柳宋理さんのデザインは、時代に関係なく今でも新鮮です。

ただ、機能美やデザインを追求しすぎて、逆に使いにくくなったモノもあるような気がします。
写真にある黒柄のカトラリーの他に、普段はオールステンレスのカトラリーも使っています。
どちらも10年以上使っています。
黒柄のスプーンは素晴らしく使いやすい。(写真を見るとスプーンだけ柄の色が違いますね。それだけ使っているということなのかぁ…)
でも、個人的にあわないだけかも知れませんが、オールステンレスのスプーンは、使いやすいとは言えない気がする…
デザインは今までのスプーンにない形状なのですが…
といっても、普段はオールステンレスのスプーンを使っているので、慣れるとそうではないのかも知れませんね 🙂

また、今は撤去されていますが、枚方市樟葉(くずは)にあった歩道橋も歩きにくかったとか…
橋脚と橋げたが一体になったデザインの美しいアーチ型の歩道橋なのですが、アーチ型ゆえに歩きにくかったらしいです。
特に下っていく時にコケそうになったそうです。
子どもの時から樟葉には時々行っていたのですが、歩道橋は全然記憶にありません。
まぁ、子どもなんで歩道橋のデザインまで気にしないですよね…

と、恐れ多くも批判的なことを描いてしまいましたが、全世界の柳宋理ファンのみなさま、個人の率直な感想なのでお許しくださいませ。
言い訳するわけではないですけど、今、家で使っている柳宋理さんの製品はどれも使いやすいです。
おそらく、これからも使い続けていくと思いますが、カトラリーやキッチンツールが生産中止にならないことを祈りたいです。

写真の雑誌は、2001年に発売された『カーサ ブルータス』の特別号です。
今度、もう一度ゆっくり読み返してみよう…

謹んでお悔やみ申し上げます。
合掌。

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