MODx を使ってみる

1ヶ月ほど前、このサイトの Weblog 以外を MODx で再構築したのですが、その後新たにサイト（コンテンツ）を MODx で制作してみました。
そのときに気づいたこと、感じたことを『MODx を仕事に使えるか』という観点から備忘録を兼ねてちょこっと…

まず、MODx が “完成されたツール” ではないという認識でいた方が、いいのではないかと感じました。（あとで理由は書きますが、MODx に対して否定的なようでも否定をしているわけではありませんので…）
ベータ版（β版）という呼び方はされていませんが、バージョンが “0.9.6”（2007-07-18）であるということが、そのことを物語っているのではないでしょうか。
しかし、何をもって完成とするかは難しい解釈で、現状の MODx も “完成されたツール” ではないが、”未完成のツール” でもないと思います。

それじゃ『仕事に使えないのか』というと、そんなことはありません。
十分仕事で使えると思います。
ただ、先程の理由から『ほんの少しリスクがあるかも知れない』ということを認識しておいた方がいいかも知れません。
例えば、拡張子の問題やスニペットやプラグインの大幅な仕様変更が突然あるかもしれません。（Ditto 1.x と Ditto 2.x のようなパラメータの変更など…）
それでも十分使えるレベルに達していると思います。

では、どんなサイト制作に MODx が向いているのかというと、従来からあるようなページ単位で情報を発信するような比較的静的なサイトではないでしょうか。
本格的なコミュニティサイトやポータルサイトを作るのであれば XOOPS、ブログをメインにしたサイト構成であれば当然 Movable Type や WordPress などになると思います。
MODx を使って一番感じたことは『サイトをデザインするのに制約が少ない』ということだと思うのですが、デザイナーにとっては最も気になるポイントです。
もちろん他の CMS ツールでもデザインに合わせて制作することはできます。
このサイトのブログは WordPress を使用していますが、他のページと同様のデザインです。（厳密にいえば WordPress は CMS ではないのでしょうが…）

でも、MODx はもっとデザインの自由度が大きいと思います。
CMS の多くに見られる『ヘッダー・フッターがあり、サイドナビゲーションを配置しないといけないし…』と、いうような制約を受けることなくデザインできるということは、デザイナーにとってストレスが溜まらない。
ただ、使用するスニペットによっては注意が必要です。
スニペットのパラメータで設定できるテンプレートによっては、思うようなデザインができないこともあるようです。

もう一つ感じたことは、HTML のことを知らないと MODx の良さを発揮できないような気がします。
まぁ、MODx の使用を考えている人は HTML の知識は持っていると思いますけど…
それとプログラミングの知識もあった方がいいかも知れません。
私の場合、PHP を含めプログラミングに関してのスキルは全然持ち合わせておりません。
ですので、 MODx でサイトを構築する場合のスニペットの使用などで、何回か歯痒い思いをしました。
ということは、『プログラムの知識を持ち合わせているデザイナー』、または『デザイナーとプログラマーの両者で協力してサイトを構築していく』ということが、必要になってくるかも知れません。
そうなると、予算との兼ね合いもありますが MODx を使わなくても、プログラマーにプログラムしてもらえばいいのではないかということになってしまいそうですね 🙂

しかし、プログラムの知識が必要になってくるのはスニペットを使用する場合です。（すべてのスニペットがプログラムの知識を必要としているのではありませんし、ほとんどのスニペットはプログラムの知識がなくても利用可能だと思います。）
例えば、使用するスニペットがメールフォーム（コンタクトフォーム）だけということであれば、それほどプログラムの知識はいらないと思います。
また、新着情報などの更新やサイトの管理を複数の担当者で行いたい静的なサイトを構築するのであれば、プログラムを気にすることなくデザインと MODx でのサイト構築をデザイナーがひとりでできると思います。

いずれにしても MODx はよくできていると思います。
サイト構成の考え方も古かったりするようですが、デザイナーサイドとしてはたいへん使いやすい CMS ツールだと思います。

そのうち、MODx で構築したサンプルサイトを公開するかも…