“ケータイがケータイし忘れていたもの展” コンセプト

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前回に引き続き、実績も名もない一介のデザイナーが好き勝手なことを書いています。
今までの au design project には共感・賛同してきたつもりなのですが、今回のコンセプトにはちょっとがっかりしました。

今回も前記事同様トークショーには参加しておらず、ITmedia の “「actface」の楽しさは、スーパーマリオに通じる──猪子氏が考える携帯UIとは” 及び、”動画で見る、au design projectコンセプトモデル──「sorato」「ヒトカ」「Rhythm」“、”画面上で墨が揺らぎ、雲が流れ、街が成長する──UI重視のau design project新モデル” の記事と動画、及び KDDI au: au design project のサイトに追加された動画と画像を見ての感想ですので、ご理解くださいませ。

au design projectのコンセプトモデル:「actface」の楽しさは、スーパーマリオに通じる──猪子氏が考える携帯UIとは (1/2) – ITmedia D モバイル

何年もケータイを使っていて身体的に指がキー配置を覚えているのに、タッチパネルになってこの操作感を失うのはもったいないと思いました

これはある意味そうだと思います。
確かにもったいないかも知れません。
ただ、このことと “タッチパネルを搭載しながら、そこに立体的なボタンを設けている” のはイコールではない。

キー配列のことだけなら立体的なボタンを設けなくてもタッチパネルだけで実現できるはずです。
今までのキー配列をタッチパネルに投影すれば済むことだと思います。
ですので、タッチパネルにボタンを設けているコンセプトとしては、非常に意味合いが薄いという感じが否めない。
タッチパネルだと表面が画一的で個々のボタンの認識が難しいということは、視覚の不自由な方にとっては大問題です。
そのために『タッチパネル上に敢えてボタンを配置した』のであれば納得できるコンセプトだと思います。
声で認識してくれる『Voice Control』みたいなユーザーインターフェースを登載していれば、立体的なボタンは必要ないのかも知れませんが…

実際のコンセプトモデルについて、まず “PLAY”。
“Sim City” を思い出しました 🙂
それと『これってユーザーインターフェースと呼べるのだろうか』という大きな疑問。
ユーザーインターフェースに付加された要素が強いですよね。
使い方によって街が作られ変わっていくというのは、”Sim City” もっと極端にいえば “たまごっち” にも通じるものがあるようで、そうなってくると携帯電話のインターフェースではなくゲームになってしまうような気がするのですが…
それと “使い方によってインタフェースが変わる” というのも、やりたいことは理解できますがインターフェースとしては、ある前提が必要なんですよね。
その前提というのが、“パーソナル” ということ。
携帯電話そのものは十分パーソナルだと思いますが、それでも敢えて “パーソナル” であるということを謳わなければ、インターフェースとしては成り立たないと思います。
“使い方によってインタフェースが変わる” ということは、それぞれインターフェースが違うので他人の携帯は使いにくい、もしくは使えないということになってしまいます。
それと自分の操作で変化するのはかまわないと思うのですが、他人の操作(外的要因)で街が変わっていくのは、いじめや嫌がらせなどの新たな問題が起きそうなんですが、これって考え過ぎですか?

次に “Rhythm”。
これは使っていると『和むだろうなぁ』というのが第一印象。
でも、こちらもインターフェースと呼べるのかは “PLAY” 同様疑問です。
キー操作時に動きを見せるというだけで、基本的には待ち受け画面、スクリーンセーバー的な要素が強いですよね。

猪子氏曰く、『”小洒落たモノ”より、行為や概念を変えるものを』ということですので、デザインというより “アーチスト的な要素” が強いのでしょうね。

最後に森本千絵氏の手がけたコンセプトモデル。
“ヒトカ” は、インダストリアルという観点からいえば良くできていると思います。
KDDI au: au design project のムービーを見ると “中のヒト” の動きは面白い。
でも、例えば “中のヒト” がダイアルしてくれる動きは面白いのですが、実際には自分の指でダイアルしているわけで、そのときには指が邪魔して “中のヒト” の動きが見えないんじゃないかなぁ?
しかし、中に “ヒト” が住んでいるというコンセプトは、”Post Pet” と変わらないような感じを受けるのですが、実際の展示物を見ると印象は違うのだろうか。
もし、その携帯電話の住人が “ひとり歩き” したら怖いですよね… 🙂

もうひとつの “sorato” については、よくわかりません。
実物を見ないことには理解できそうにないような気がします。
しかし、森本千絵氏のコンセプトモデルは、インターフェースに焦点を当てたモデルにもかかわらず、外観のデザインが秀逸だと思います。
インターフェースはさておき、このままのカタチで発売しても売れそうな気がします。

今回は ITmedia の記事と KDDI au: au design project のサイトの動画と画像をもとに感想を書いたわけですが、何故 KDDI au: au design project のサイトにスペシャルトークショーの記事を掲載していないのだろう?(コンセプトモデルのページはいつの間にかできていましたけど、記事が無いというのは『トークショーに来い』ということなのかなぁ…)

それにしても、前にも書きましたが関西でもこのようなイベントを開催して欲しいなぁ。
そうすれば、もっと詳しい内容やニュアンスの違いなどを感じることができたかも知れませんね。

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