この画像を見てピンときた人は、ヲタクです。 🙂

ではなくて、かなりの PC 歴だと…
今はなき『ワープロ・パソコン通信』サービスの NIFTY-Serve の画面です。
といっても、これは実際の画面ではなく Flash で再現したものです。
パソコン通信って、何が魅力だったの？ – CNET Japanの記事の中に、『ニフティ25周年記念サイト』というのがあるのを見つけて、ちょっと覗いてみた。
25周年のイベントサイトということで、Twitter でメッセージを募集したり、フォーラムの掲示板に投稿できたりする。
まぁ、あくまでエミュレータなので、実際の User-ID や Password を入力しても、そのまま何も入力しないでログインしても同じ画面というのがちょっとさみしい。 🙁

それにしても1990年代はまだパソコン通信が楽しかった時代だったと思う。
私の場合、1995年にはすでにインターネットで色々なサイトを見ていたし、実際ホームページの制作の仕事をしていました。
でも、日本の場合はまだまだインターネットよりもニフティの方が、情報量が多かったような気がする。
海外（英語圏）の場合は、すでにたくさんのサイトがあって、色々な情報がありましたけどね。
HTML の解説本も1冊くらいしかなかったような記憶があります。
それも洋書の翻訳本。

1990年代後半になると、パソコン通信とインターネットに繋ぐ時間が逆転した。
日本のサイトも増えてきて Nifty より面白くなってきたというのが、1997年頃からかなぁ…

それでも、NIFTY-Serve は面白かった。
仕事で Mac を使うようになったけど、NIFTY-Serve がなかったら、Mac の使い方もよくわからなかったと思う。
どれだけ、フォーラムのお世話になったか。
私が Mac を使いはじめた1990年って、まわりで Mac を使っている人はほとんどいませんでしたからね。
それと、知人にフォーラムのシスオペがいたというのも、NIFTY-Serve に抵抗がなかった要因かもしれない。
パソコン通信というとどうしても『ヲタク』って思われがちだったですからね。

今の環境からは想像できないくらい地味な画面でしたけど、やはり魅力があったのだと思います。

それと1995年の阪神・淡路大震災でパソコン通信が役に立ったという。
当時、新聞などメディアでも取り上げられたのでご存知の方も多いと思います。
今回の、東日本を襲った震災でもインターネットが役立ったというのと同じように、パソコン通信が活躍したようです。
1995年は、まだ一般的にインターネットが普及していませんでしたからね。

私の記憶では、固定電話が繋がりにくく公衆回線の方が繋がりやすかった。
デジタルの携帯電話を使っていましたが、電源を入れた時点で使えませんでした。
ただ、アナログの携帯電話は通常と同じように使えた記憶があります。
このような状況で、ラジオと共にパソコン通信が色々な情報を伝えたという話を聞きました。

しかし、実際にはメディアが取り上げたほど活躍したかといえばちょっと疑問です。
避難所にパソコンを設置してもほとんどの人が使い方がわからない。
パソコン通信の使い方がわからないのではなく、パソコンの使い方がわからない。
キーボードに慣れていないというのも原因のひとつだと思います。
外国人の方は、使い方をよくわからなくても『取りあえずさわってみる』といことをしていたようです。
これは、もしかするとタイプライターの文化が、パソコンのキーボードに違和感を感じない要因かも知れません。
あと、日本人は「もしさわって壊したらどうしよう」という思いがあるようです。
なので、ボランティアに行っていたシスオペの知人曰く『震災でパソコン通信を避難所に設置して情報端末として利用したことは、決して成功とは言えない。こんなに使えない人が多くいてはとても成功ではない。震災の時にパソコン通信が役に立つことはわかったが、それ以上にコンピュータの使い方を広く教えていかなければいけない。じゃないと、宝の持ち腐れになってしまう。個人的には、そのことがわかったというのが一番の成功かも知れないと思う。』と…

その後、しばらくしてコンピュータ・リテラシーが言われはじめた気がする。
今回の震災では、インターネットが活躍したといわれますが、デマやチェーンメールも多かったと聞きます。
つまり、1995年がコンピュータ・リテラシー元年、2011年が情報リテラシー元年なのではないかと思う。

いずれにしても、今のインターネットの世界と比べるとかなり違いますが、それでも NIFTY-Serve は面白かった。 🙂