“ケータイがケータイし忘れていたもの展” トークショー

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7月31日から “ケータイがケータイし忘れていたもの展” が開催されています。
初日には猪子寿之氏と、坂井直樹氏のスペシャルトークショーも開催されました。
で、その内容についてなんですが、今までの au のコンセプトと比べると、ちょっと期待外れな感じがします。

予め断っておきますが、実際のトークショーには参加しておりません。
あくまで ITmedia の “「actface」の楽しさは、スーパーマリオに通じる──猪子氏が考える携帯UIとは” の記事を読んで感じたことを書きますので、実際のトークショーで交わされた言葉から受けるニュアンスとは多少違うところがあるかも知れません。
また、記事になっていない部分で私の考える問題点や疑問点を語っていた可能性もありますので、そのあたりのことをご理解くださいませ。

まず、iPhone の登場にショックを受けたというのはよくわかります。
私も少なからず衝撃を受けましたが、ショックというのではなく、それは『Apple であれば少なくともここまではやってくれるであろう』という期待以上のモノであったということで、決してインターフェースにショックを受けたわけではないです。
ただ、インターフェース次第でプロダクトの魅力が増すというのは、以前からわかっていることだと思いますので、iPhone でそのことに気づいたのであれば『何を今さら』という感じです。
例えば、Newton が登場したときにだって驚きと革新性があるインターフェースであったと思っています。
書いたメモを消去する方法などは特にね…

また、日本のケータイも進んでいると自慢できた根拠を是非とも聞いてみたいです。
機能が進んでいたと感じたのか、コンテンツなのか、それともユーザーインターフェースなのか…

au design projectのコンセプトモデル:「actface」の楽しさは、スーパーマリオに通じる──猪子氏が考える携帯UIとは (1/2) – ITmedia D モバイル

本来、インタフェースは目的を達成するため、操作をするためにあるものだ。例えば「090……」とダイヤルキーを押すのは、誰かと話すという目的があるから押すのであって、キーを押すこと自体が目的ではない。「“しょうがない”から押すわけですね」(猪子氏)

この考え方が基本的に私の考えるユーザーインターフェースとは全然違うんですよね。
キーを押すという行為が本来の目的ではないのはその通りでしょう。
でも、しょうがないから押すのではなく、自分がこれからどのような行動をしたいかを伝えるためにキーを押すのだということ。
つまり、ユーザーインターフェースというのは、人間と機械(ハードウェア)とのコミュニケーションのはずです。
タチコマのような A・I ならば違うでしょうが、一般的な機械には自分の行動・意思を伝えなければ動いてはくれません。
その基本的な部分で、『しょうがないからキーを押す』といわれると、それこそ “しょうがない”。
ユーザーインターフェース = コミュニケーションだということを踏まえた上で、iPhone のインターフェースが西洋的で直球的であるから、日本独特の感性によるインターフェースを築きたいというのであれば、異論はありません。
英語圏のコミュニケーションと日本語のコミュニケーションの違いという意味では、“日本独特の感性によるインターフェース” という考え方もあると思います。
それこそ『阿吽の呼吸』であるとか『言わなくてもわかる』というインターフェースが生まれてくるかも知れません。
ただし、実現するにはハードウェアの革新的進歩が必要で、すぐにそのようなインターフェースを構築するのは難しいでしょうけどね。
それまでは、直球でもいいから直感的でわかりやすいインターフェースでもいいのではないかと思います。

ちなみに “作法や礼節を大切にする茶道や剣道” は、”本来の目的を忘れてしまっているもの” では無いと思います。
本来の目的を達成する上で、一見無駄に見える必然なんだと思いますが、違いますか?
かつて武道を嗜んでおられた方が『空手や剣道と茶道の所作には共通点があり、無駄のように見えても極力無駄を省いた動きである。』と言っていたと記憶にあります。
そういうことを考えると決して『忘れてはいない』と思います。

こんなことを書くと『実績も名もない一介のデザイナーが、何を偉そうなことを言ってるんだ!ボケ!カス!!』と言われそうですが、”ケータイがケータイし忘れていたもの展” の第一回スペシャルトークショーについては、やはり納得できる内容ではないと思います。

ちょっと長くなりましたので、実際のコンセプトモデルについては次回のお楽しみに…
んっ、誰も楽しみにしていないって… 🙁

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