アクセシビリティとユーザビリティ

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1週間ほど前に『関西でWebアクセシビリティを考える会』というのがありました。
皆さんが Web アクセシビリティに対して、『どのように思っているのか』また、『どのような対応をしておられるのか』ということにすごく興味があったので、参加してきました。

約2時間ほどの勉強会でしたが、『Web アクセシビリティとは何か』という基本的なこと考えるには、とても充実していたのではないかと、個人的には思っています。
どのような内容かというのは下記の URL をご覧ください。
どちらも、すばらしいまとめレポートですので、参加されていない方にも、勉強会の内容が伝わるのではないかと思います。

で、ちょっとだけ気になったことが…

基本的な質問で『アクセシビリティとユーザビリティの違いは?』というのがあったのですが、勉強会での意見(説明)と私の認識がちょっと違うような気がしました。
ただ、適当な例えが浮かばずに言葉足らずの説明になってしまいそうだったので、その時は発言を控えてしまいました。
まぁ、認識の違いといっても、その発言が間違っているということではありません。
私も的確な説明ができないくらいの曖昧な認識なので、私の考え方がズレているのかも知れません。

その時に紹介されたスライドから引用させてもらうと

  • できるだけ多くの人が使えるサイト →「Web アクセシビリティが高い」
  • 想定された人にとって使いやすい →「ユーザビリティが高い」

と、あります。

どちらも『〜が高い』という『度合い』の表現なので、私の認識との違いが生じているのかも知れませんので、『〜が高い』という『度合い』ではなく、基本的な部分での両者の違いというのを考えてみたいと思います。

また、上記のスライドは『Web アクセシビリティ』についてですが、Web に限らず一般的なアクセシビリティとユーザビリティについて、私の考えを書いてみます。
もちろん、スライドのようにできる限り多くのひとが使える(目的を達成できる)のが、アクセシビリティであるということ、想定された利用者が、目的を達成するまでの効率や使いやすさなどの使い勝手がユーザビリティだというのも間違っていないだろうし、どちらかというと正しいのではないかと思う。
ということを踏まえて…

まず、アクセシビリティですが、これは最低限実装すべきモノだと思います。(理想論かも知れませんが…)

accessibility = access + ibility → access(アクセス) + able(できる)

極端かもしれませんけど、『アクセスできる』というのがアクセシビリティの本来の意味でないかと。
つまり、『目的へ到達する行きやすさ』、『情報への近づきやすさ』ということに繋がると思います。
また、アクセシビリティにも『想定された人』がいると思います。
例えば、目の不自由な方と手の不自由な方では、アクセスするためのアプローチは違ってくる気がします。
もちろん、障害を持っているすべての方に対して、アクセスしやすくて目的への障害を取り省くのがアクセシビリティだと思いますが…

次に、ユーザビリティというのは、より使いやすくするために実装するモノ。

usability = use + ability → use(使う) + able(できる)

こちらも極端かもしれませんが、『使うことができる』、『使いものになる』から『使いやすさ』、『使い勝手の良さ』に繋がるのではないかと思います。
つまり、使う人が迷わず、また、ストレスなく使うことを考慮することがユーザビリティではないかと。
上記のスライドでは、ユーザビリティとは『想定された人』にとって使いやすいとあります。
子どもと高齢者、男性と女性などでは、それぞれ『使い勝手』が違うでしょうから、的を射たご意見だと思います。
ただ、使う側の『想定された人』だけではなく、『使われる側』によってもユーザビリティは違ってくるのではないでしょうか。
例えば、銀行の ATM というのは、お金を『入金』・『出金』・『振込み』などの使い勝手を良くすることがユーザビリティで、使う人には『男性』・『女性』・『健常者』・『身障者』など多様な人がいると思います。
Web だと EC サイト(ネットショップ)がこれと同じで、買い物をする人は老若男女様々だけど、いかにストレスなく、操作を迷わずに買い物ができるかというのが、EC サイトのユーザビリティだと思うのですが、このような例はユーザビリティとアクセシビリティを一緒に考えないといけないのかも知れませんね。

といっても、上記の2例とも『ATM を使う人』、『ネットで買い物をする人』という捉え方だと『想定された人』というのは存在するんですよね。
う〜ん、むつかしい…

このような考え方は、キャリアの始まりがインダストリアル・デザインというのも関係するのかも知れませんが、学生時代にキッチン廻りのデザインをする課題があり、流し台(シンク)や調理台の高さを指摘されたことを思いだしました。
実際に使いやすいだろうという高さを想定してスケッチ & 図面を描いたのですが、それだと『高すぎる』と…
つまり、私が調理をする時の使いやすい高さと、実際に家事をする方(主に女性)の使いやすさは違うということ。
なので、図面より50mm〜100mm は低くしないとダメだと言われました。
今では背の高い女性も多くなりましたけど、当時はまだまだ背の低い女性が多かった時代なので、尚更ですよね。
となると、やはり『想定された人』というのは存在するのかなぁ…

結局、まとめられない… :-(

ということで、最後に、私が認識しているアクセシビリティとユーザビリティの違いを車いすの方を例にとって説明してみます。
間違っているかも知れませんが…

車いすに乗った方が、A 地点から C 地点に行きたいとします。→ 目的
しかし、その中間の B 地点に階段があります。→ 障害
第三者の手を借りると障害をクリアできると思いますが、ひとりでは無理。→ アクセスできない
階段の代わり、もしくはその横にスロープを付け、障害を取り省く。→ バリアフリー
車いすに乗っていてもひとりで目的地に行けるようになる。→ アクセシビリティ

しかし、スロープの角度がきつく登るのに苦労する。→ 使いにくい
スロープを緩やかにしたり、リフト・エレベーターを設置する。→ 使いやすい
使いにくいから使いやすいへと使い勝手が変化する。→ ユーザビリティ

というのが、私が考える『アクセシビリティとユーザビリティ』です。

もしかすると、『ユーザビリティ』には『使い勝手』の他に『満足感』というのが存在するかも知れませんね。(使い勝手の中に含まれるのかな…)
当たり前かも知れませんが、アクセシビリティとユーザビリティを切り離して考えるのもおかしいと思う。
使う人(ユーザー)にとって、『使える』のか『使いやすい』のかを考えてモノづくりしないといけませんよね。
スライドでは『おもてなし』と表現されていますが、その通りだと思います。
結局は、スライドや『関西でWebアクセシビリティを考える会』で説明されていたことになるのかなぁ…

『アクセシビリティとはこうだよ』、『ユーザビリティはこういう意味だよ』、『いやいや、そうじゃないよ』などなど、ご意見があればコメントしてくださいませ。

あらためて、こういうことを考えさせられた『関西でWebアクセシビリティを考える会』には、感謝しないと… :-)
今後は、これまでのアクセシビリティへの事例や実例なども取り上げられたり、もっと具体的に Web アクセシビリティをどのように考えていくかということを取り上げられると思います。
今回、参加されていない方も次回は参加されてはいかがですか?

個人的には、土曜日だと所用がいろいろとあっていつも参加できるかわからない :-(
土曜日に開催されるその他の勉強会や行事もそうなんですけどね。

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